反対意見と法律
人から聞いた話なので、本当かどうか分かりませんが、
イスラエルでは、提出された法案について国会内で誰も反対者がいないと、
その法案は自動的に廃案になる、とのことです。
法律を少しでも勉強した人であれば、非常に納得のいく話です。
「法は、利害が対立しているところを調整する」からです。
例えて言えば、法律は信号機です。道が交差していて、かつ、
放っておくと自動車が衝突してしまう程、交通量が多い場所だからこそ、
信号機は置かれるのであって、反対意見がない法案、というのは
一本道の途中にいきなり信号機を立てるようなものです。
誰しもが自然と守る、当たり前のことは法律・ルールにする必要がない、
という発想は日本史を考える上でも大事です。
井沢元彦さんは、歴史学者がよく陥るミスである「史料絶対主義」の弱点として、
常識・当然のことは史料には書かれていない、という点を指摘しています。
たとえば、井沢氏が例に出す「中日ドラゴンズの理論」は好例です。
ドラゴンズ50年史という史料で、「ドラゴンズ」という名前の由来について、
「中部日本新聞社社長杉山虎之助の干支が『辰年』であるところから、
それにちなんでニックネームが『ドラゴンズ』と決まった」と書かれています。
我々はこれを読んでも、あまり違和感は感じませんが、
それは、野球チームのニックネームには、強い動物の名前を付けることが多い、
という「常識」があるからです。もし、この「常識」がないと、
社長の干支がネズミなら「マウス」で、ウサギなら「ラビット」と付けたはず、
といった変な話になってしまいます。史料絶対主義は、
「史料に書かれることの少ない常識」を見逃してしまうせいで、
因果を極度に単純化してしまう、という問題点があるのです。
物事には色々な原因があるはずなのに、複合的な要因が分からなくなってしまいます。
どんな資料でも、「書かれていないこと」を考える癖が大事です。
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コメント
「書かれていないこと」を考える癖をつける事って本当に大事ですよね。もう少し具体的に、なぜ大事なのか、日常生活の中でどうすれば身につくのかなどの話があればなおいいですね。
投稿: 竹下 | 2008年5月15日 (木) 11時04分
竹下さんのコメントにあるように、もう一歩突っ込んだ、具体例というか、一般人に身近な例まで書いてみませんか。本にする際には、そこまで必要になるんだと思います。
投稿: うめきゅう | 2008年5月18日 (日) 11時55分