一流の理論家
超新星からのニュートリノを観測してノーベル物理学賞を受賞した
小柴昌俊先生が、一流の理論家と二流の理論家の違いを以下のように
説明していました。曰く、一流の理論家は、実に謙虚で、
精緻な理論を作って、それで全ての事象を説明し尽くすことができるなんて
考えていない。理論の適用限度を意識しているのが一流。
これに対して、二流は自分のモデルで何でも説明できると思いこんで、
実験して試してみることすらしなくなる。最近は、物理学が発展したせいで、
実験も大がかりになってしまい、費用も国家予算並みにかかる場合もあるので、
二流の理論家が主張する「理論的に分かっていることは実験する必要がない」
という一見すると「正しく」思える意見が通ってしまう危険性が高いのです。
法律の世界も、理論だけで全てが説明できるわけではなく、
裁判という「実験」で理論の正しさを日々検証することが求められます。
問題は、自然科学の場合には、誰が行っても同じ結果になるか、
という「実験」の正確性に対する検証が可能であるのに、法律の場合には、
評価者の主観を排除することは非常に難しく、「実験」の正確性は検証しづらいのに、
その「実験」によって人の一生が左右されてしまうという点です。
とはいえ、裁判官は一流の理論家のように、謙虚であって欲しいものです。
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