獄窓記
最近、続編が出版されたようですが、
衆議院議員時代に、秘書の名義貸し、給与の詐取の罪で
実刑判決を受けて1年2ヵ月もの間、刑務所に入った
山本穣司氏が、逮捕から裁判、懲役の日々をつづったものです。
政治家から受刑者へ、という転機について、山本氏は、
「たった一度の人生、刑務所生活を味わってみるのも悪くはない」
そんな経験欲みたいなものが芽生えてきてるんです。
裁判で無為に時間を費やすよりも、未知の世界を体験しながら時間を使う。
そのほうが、私の人生の中では、よっぽど有意義だとも思っているんです。
と説明していますが。ただ、決心するためには様々な想いがあったはずです。
特に、裁判を続ければ、マスコミからもずっと取り上げられ、
家族に迷惑をかける、という考えがあったこと思います。
政治家に限らず、実刑と執行猶予の境界線の事案では、
第一審で実刑判決を受けても、控訴して執行猶予判決を得ようとすることが
一般的です。しかも、わざと保釈を受けずに拘置所で過ごして、
裁判中の身柄拘束期間を懲役刑の期間内に算入させることもできます。
そのため、控訴審で実刑判決を受けても、刑務所には1、2ヶ月しか入らない、
という「裏技」もあります。山本氏がこの手段を採らなかった理由が、
経験欲だけとは思えないですが、マスコミ報道を理由として書くことは
不適当だと判断したのでしょう。
辻本清美代議士の秘書給与詐取事件をめぐって、辻本氏が
山本氏の事件について名誉毀損に当たる発言をした結果、
山本氏がその訂正と謝罪を求めた顛末が第4章で取り上げられていますが、
辻本氏の発言を扱った際のマスコミ報道と、
訂正・謝罪を扱った際のマスコミ報道との違いを詳しく書いているのは、
刑務所へ入ることを決心したもう1つの理由を伝えているかのように読みました。
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